教えて頂いたのは (有)一秀製紙工場 さんです。
〒409-3601 山梨県西八代郡市川大門町600-1
Tel:055-272-0330
※基本的に一般の方の工場見学はできません。
1.機械漉き工場内部
手漉きと違い、機械漉きは大量生産が可能なので、何もかもが大きい道具(機械)を使います。
そして和紙の製造には大量の水を使います。
廃水処理も大きい工場にならばなるほど大きな問題になってきます。
綺麗な和紙を作って、汚水垂れ流しでは作る意味もありませんからね。かなり気を配っているそうです。
2.離解(りかい)
「離解」は手漉きで言う煮熟ですが、パルパーという機械で攪拌しながら煮溶かしていきます。
この機械は、地上に50cmほど顔を出していますが、3mの深さがあるそうです。
パルパー内に見えているのはパルプを主とした溶液です。
3.叩解・洗浄
「叩解」は手漉きと同様の工程です。が、使っている機械の大きさが一回り大きい!
ここで漂白も行ないます。
4.抄紙(しょうし) その1
紙漉きのことを抄紙と言うそうです。(手漉きでも言うそうです)
このヤンキー抄紙機と言うのがまたでかい!!全長は10m、高さは6mくらいでしょうか。なぜ「ヤンキー」なのかは謎です。
写真の部分が実際に溶液を流し込み、紙を漉いて行く部分です。
手漉きの船が写真で見えている木枠にあたり、すだれはベルトコンベアーになっていると思って下さい。
溶液が流し込む部分は写真左にあり、ベルトコンベアー(すだれの代わりに毛布を使っているそうです)は左から右に進みます。船は常に左右に振動していて、溶液が船の中で均一になるような動きをしています。
5.抄紙(しょうし) その2
毛布を伝って水が下に落ちていき、紙の素が毛布の上に残ります。その後、いくつかの巨大なローラーで圧力をかけ、脱水を行っていきます。
ローラーが変わる度に毛布の折り目が小さくなっていき、水分を徐々に抜いていきます。水分が抜けた紙の素は繊維同士の結びつきが強くなっていきます。
6.抄紙(しょうし) その3
毛布に残った紙の素は、そのままドラム型のアイロンに送り、直接乾かします。
ドラム型のアイロンから和紙を剥がせば、綺麗で均一な和紙が出来ています。
このドラムの直径は4mくらいでしょうか。驚くほど速い速度で和紙が出来上がっていきます。
7.抄紙(しょうし) その4
ドラムから出来上がってくる和紙をロール状に巻いていきます。
ロール状に巻いたものを、商品によって裁断します。
8.裁断
商品によって、平版に裁断したり、障子紙のようにロール状に裁断したりします。そのほとんどは機械で行ないます。(写真は裁断された平版)
機械漉きの大きな利点は「和紙であっても均一の規格で大量に商品を作ることができる」ではないでしょうか。
障子紙や書道用紙、半紙などで、消費量の多い商品はほとんどが機械漉きになっています。