和紙人形作品展「舞楽」

役の行者が下山途中に笛を吹いていると、その素晴しい笛の音にあわせて山の神が老猿の姿になって舞った姿を舞いにしたと伝えられる。
また、聖徳太子が信貴川で笛を吹いている時に山の神が現れ舞った姿を舞にしたという説もある。
舞人は老猿の面に毛縁の禰襠装束と蓑を付け、左手に桴を持って小走りにきびきびと舞い喜びを表現する。
舞では、この曲特有の夜多羅拍子(二拍子と三拍子の混合拍子)の軽快な楽にのり、山の彼方に舞いながら帰っていく神を思わせる。

「雅楽壱具」(東京出版)より抜粋
伊藤 慶 作

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