和紙人形作品展「舞楽」

龍笛と太鼓鉦鼓の短い小乱声のあと、打物による乱序が始まると、舞人が登場する。
金色に輝く龍を戴く豪華な仮面を被り、金色の桴を右手に持ち、追吹の笛の音にのって、舞は進行する。
勇敢で華麗かつ軽やかな曲の流れもその士気の高揚を彷彿とさせる。
中国の北斉(五五0年頃)蘭陵王長恭は非常に美男子で、そのために味方の士気がなかなか上がらず、戦に向かう時は常にこの獰猛な仮面を被る事で味方を勢いづけて、連戦連勝を飾ったといわれている。

「雅楽壱具」(東京出版)より抜粋
伊藤 叡香 作

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